2020年8月1日土曜日

終末期 延命と尊厳③

夏空。今日も暑い!

今朝は頻脈の発作を起こして、胸の圧迫感も半端じゃなかった。
即効性のある薬を飲んで、酸素量をあげてもらったら、どうにか
落ち着いてきた。在宅ではそれしかできない。

この前のつづき。
思い出したくない過去はだれにでもある。
31歳の時に呼吸不全を起こして、意識を失った。回復の見込みもなく
家族の決定で呼吸器を付けられた。あれから、30年以上与えられた
人生を生きていた。

しかし、今の知識があれば、意識を失う前に自分の意思を家族に
伝えたかった。その時にどんな選択肢をしたか、分からないけど、
与えられた人生ではなく、自分で選んだ人生を歩んだかも知れない。

日本では、延命装置(呼吸器など)をいつでも付けられる。
でも、外すことができない! だから、明白に自分の意思を家族などに
しっかりと伝えるべきだと思う。しかし、今だと例え伝えたとしても、
尊重されないこともある。適切な法律がなければ、医師および家族が
殺人犯になる。

救急車で意識のない状態で運ばれたら、医師が治療を行う義務がある。
だから、私はリビング・ウィル(英語: living will)(生前の意思)を
書いて、主治医に渡した。「尊厳死の権利を主張して、延命治療の
打ち切りを希望する」といった意思表示です。

延命治療を望むにしろ尊厳死を望むにしろ、患者の意思が大きく
反映されるようになってきている今、自分の意思をはっきりさせて
おくという意味で、リビングウィルはひとつの方法だと思う。

先日、安楽死を頼んだALS女性のまた記事が出た。正直言って、腹が
立った。書かれたことは事実かどうかわからないし、死んだ人は
もう何も語れないし、主治医の名前さえ出されない(安楽死をさせた
ドクター二人と違って)。

NHKの番組のせいにするんなと言いたい! 私も同じ番組を観て、
日本に同じような法律があれば、わざわざ賛成していた家族と一緒に
スイスまで死に行く必要はなかった。

安楽死に反対している障害者団体の言い分というのは、呼吸器など
延命装置を着けている人たちが自分の意思でもなく殺されてしまう
ことを恐れている。それは日本の社会のモラルの問題だと思う。